黒川

黒川(くろかわ)地区は、播州の野を潤して姫路市の飾磨で瀬戸内海に注ぐ市川の源流域です。黒川渓谷と呼ばれる市川沿いの区域以西は兵庫県の朝来群山自然公園に含まれます。

黒川の地名の由来は但馬図譜に「黒川の川底は生野まで三里の間一枚の滑石(なめりいし)なり。よくよく続きたる石の川底なり」とあり、郷名考に「黒川は陸奥の白川、下野の黒川の例によればその水色の黒きか其地質による」と書かれています。

黒川のお宝

銀山湖(生野ダム)

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1972年竣工。兵庫県営多目的ダム、生野ダムにより形成されたダム湖。「ひょうご風景百選」に選ばれた湖畔の風景は四季折々に楽しめる。夏はバスなどのルアーフィッシングの冬場はワカサギ釣りが楽しめる。
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法道谷(ほうどうだに)

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法道の滝があり、法道仙人開創の法道寺跡がある。法道仙人が修行したといわれる岩場や洞窟が近くにある。ここから黒川、朝来町などにつながる尾根伝いの登山道があり、紅葉のころの景観もすばらしい。

魚ヶ滝(うおがたき)

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落差3mもないが滝壺はかなり深い。滝中の岩が鯉の滝登りにも見えることからその名が付き、地名にもなった。黒川渓谷随一の景勝地。国道から見え、周辺にオートキャンプ場や宿泊施設が整備されている。
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直谷(なおだに)不動の滝

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高さ20m。滝つぼ周辺には甌穴(おうけつ)がある。そばに不動尊が安置され、かつて簾野(すだれの)、魚ヶ滝の集落が守り神として再礼を行っていた。直谷渓谷登山道沿いにあり、上流に平家塚があった。

ホソビラの平家塚

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その昔、平家の落人が住みついたが、流行病で集落の全員が死に絶えたと伝えられている。塚のそばにある榎(えのき)の根元から、錆びた刀剣類が大量に出土した。市道生野長野線沿いにある。

梅ケ畑(うめがはた)日吉神社

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祭神は大穴牟命(おおあなむちのみこと)。大地を象徴する神格である。黒川本村に姉妹社がある。織田信長の西国攻めで明智光秀軍に大明寺と共に焼かれ、のち再建された。創建年不詳。

屏風神社(びょうぶじんじゃ)

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祭神は少比古名命(すくなひこなのみこと)。そそり立つ屏風のような岩を御神体として地域の疫病など災いを防ぐために祀られた。国道429号線沿いにあり、そばには逆流するがごとく蛇行して市川が流れている。静寂の中での新緑、紅葉は妙。創建年不詳。

オオサンショウウウオ

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学名 Andrias japonicus。英名Japanese giant salamander。市川水系の奥銀谷地域全域に多く生息している。ハンザキとも呼ばれ、地元ではアンコウと呼ぶ。その昔は蛋白源になったともいわれているが、今は国の特別天然記念物であり、準絶滅危惧種に指定されていて国の許可なく触ることもできない。黒川地区にはNPO法人日本ハンザキ研究所と環境保全活動施設「あんこうミュージアムセンター」がある。

日本ハンザキ研究所

黒川温泉 美人の湯

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大明寺門前の温泉。掲題の地下深くから湧き出る温泉はアルカリ性単純泉。炭酸水素イオンを大量に含む泉質で、肌がスベスベになる。加温掛け流し。露天風呂も人気である。

黒川温泉 美人の湯

大明寺(だいみょうじ)

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臨済宗妙心寺派 雲頂山大明禅寺。貞治6(1367)年、臨済宗大應派の月庵宗光(げったんそうこう)禅師の創建になる。晩年の月庵に教えを受け、後年但馬国守護となり室町幕府の要職に登りつめた山名時熈(ときひろ)が葬られている。

天文年中(1532~1554)に祖堂のみを残して焼失し荒廃していたが、寛永10(1634)年前後に臨済宗妙心寺に属する僧大愚宗築(だいぐそうちく)により再興された。慶安2(1649)年に大愚宗築が第三代将軍家光より賜った十五石の寺領は、幕末まで続いている。

月庵禅師修行時の座禅石とこれにまつわる民話、戦国時代の亡霊伝説など数多くの逸話がある幽玄の古刹。

朝来市指定文化財:方丈、庫裏、開山堂

黒川ダム

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1974年竣工。国内最大規模の揚水発電所、奥多々良木発電所の上部ダム。ロックフィルダムの堤高は98m。周回路がありダム湖を一周できる。高所からは日本海が望めるかも?発電所施設は山中の地下100mにある。生野ダムとともに姫路市の水がめである。

奥多々良木発電所(関西電力)

その他の施設